ティーパンチとアイスティーのバリエーション

2017.7.31紅茶

ティーパンチは、アイスティーに果物や炭酸を加えた華やかなティーです。

むかし、インドのマハラジャが、暑さに耐えかねて、冷たい紅茶に5種類の果物とやし酒を加え、カクテルのように楽しんだと、伝わっています。パンチはヒンズー語で数字の5を表し、5種類の成分を混ぜ合わせたという意味があります。

ティーパンチは、暑い季節にゲストを迎える時や、ティーパーティーのウェルカムティーとしても、ふさわしい飲み物となります。

準備するものは、アイスティー1200cc、シュガーシロップ200~250cc、ロゼワイン30~40cc、無糖の炭酸水60~70cc、そして果物はレモン、オレンジ、りんご、いちご、パイナップルなど5種類ぐらいを、小さくカットします。

ただし、ロゼワインは、アルコールを控えないといけない人がいる時には、省きます。

パンチボウル、もしくは大き目のガラスの器にアイスティーと果物を入れ、シュガーシロップ、ロゼワインを加え、氷も入れ、のど越しを良くするために、炭酸水を加え、見た目にも彩り良く、さわやかに仕上げます。

また、アイスティーのバリエーションとして、セパレートティーがあります。グラスの中で、果汁と紅茶が上下に分かれた飲み物です。

例えば、グレープフルーツを使ったセパレートティーは、グラスにグレープフルーツ1/4個分の果汁を絞り入れ、シュガーシロップ20ccを加え、氷を入れ、アイスティー100ccをゆっくり注ぎます。そうすると糖度が高く比重の重くなった果汁が下に、そして上にはアイスティーと二層のきれいなグラデーションになります。

もうひとつ、スパークリングティーも、夏にはうれしいアイスティーになります。

グラスにシュガーシロップ30ccを入れ、レモンのスライス、氷、アイスティー120ccを加えよく混ぜ、無糖の炭酸水30ccを注ぐと出来上がりです。

簡単に、ティーフロートを作ることもできます。口の広いグラスに、氷とアイスティーを入れ、バニラアイスクリームを浮かべます。シュガーシロップは好みですが、入れる時は最初に入れて、アイスティーとよく混ぜておきます。アイスクリーム用のスプーンとストローを添えます。

ティーパンチをはじめ、セパレートティーなど、透き通ったアイスティーをベースにさわやかさと華やぎを演出する紅茶です。

アイスティー

2017.7.27紅茶

アイスティーは1904年、アメリカ、セントルイスで開かれた万国博で生まれました。アイスティーは、透き通った紅茶の色が、さわやかさを与えます。

その紅茶の色が、時間がたつと白く濁り、クリーム色に見えることがあります。これをクリームダウンと呼びます。

アイスティーを作る時、グラスに氷を入れ、濃い目に淹れた紅茶を一気に注ぐ方法がありますが、これはクリームダウンが起こりやすくなります。グラスの氷をめがけて、熱い紅茶を淹れることで、温度が徐々に下がっていき、この温度変化が、茶葉のカテキンを結晶化させてしまうのです。

カテキンを多く含む茶葉、インドのダージリン、アッサム、スリランカのウバ、ヌワラエリアという渋みの強い茶葉でアイスティーを作ったときも、クリームダウンが起こりやすくなりますが、出来上がったアイスティーに熱湯を少し加えると、結晶が溶け、透明な紅茶の色にもどります。また、個性が強い茶葉なのでクリームダウンを起こしていても、そのままミルクを加えると、おいしく飲めます。

個性の強くない渋みの少ない茶葉、インドのニルギリ、スリランカのキャンディ、ディンブラの茶葉で、使う茶葉の量も少なく、そしてゆっくり時間をかけて蒸らすと、紅茶の色もきれいに、ライトな味のアイスティーができます。特にキャンディは紅茶の色がしっかりときれいに出るので、アイスティーに向く茶葉と言えます。

クリームダウンを起こさないアイスティーの作り方として、茶葉をブラックティーより少なめに、一人分2g、140ccを人数分、用意し、10-15分以上蒸らした紅茶を、一度別の容器に茶漉しで漉します。そして次に、氷を八分目程入れた容器に紅茶を一気に注ぐことで、温度変化を抑え、茶葉のカテキンを結晶化させにくくさせます。氷を漉して出来上がりです。冷蔵庫には入れません。常温で半日をめやすに保存します。

また水出し紅茶にすると、冷水なので、カテキン、カフェインは抽出せず、渋みも少なく、軽くて飲みやすいアイスティーになります。冷水1ℓに茶葉は多めに10gほど入れ、冷蔵庫で4、5時間ほど置いて抽出し、茶葉を漉します。

紅茶とティーバッグ

2017.7.21紅茶

ティーバッグでの紅茶の淹れ方が変わりました。従来は、温めたティーポットやカップにティーバッグを入れ、その上から熱湯を注いで紅茶を抽出していました。この淹れ方だと、ティーバッグが上の方に浮かんでしまい、紅茶の味や香りが充分に引き出せていませんでした。

ティーバッグは、およそ100年ほど前に、アメリカで生まれ、形や材質も変化がありました。絹のふくろやガーゼを使ったもの、紙やナイロンの不織布、三角形のナイロンメッシュです。

この三角形、いわゆるテトラパック型のナイロンメッシュのティーバッグが出てきてから、淹れ方が変わりました。ティーポットやカップに熱湯を注いだ後に、ティーバッグを浸すというスタイルです。こうすると、ポットやカップの底までティーバッグが沈み、中の茶葉は、水分を充分に吸って開きやすくなり、香りやボディのしっかりとした紅茶になります。しかもテトラパック型の中の空間では、ジャンピングが小さく起こり、紅茶の抽出を助けています。

ナイロンメッシュ以外のティーバッグでも、熱湯が先のスタイルで、ティーバッグが底まで届くように、ゆっくり入れてやります。そして、紅茶は蒸らすことから、ティーカップには、ふた、もしくは受け皿でふたをします。