パウンドケーキ

2017.9.10お菓子

パウンドケーキは、材料の4種類がそれぞれ同量のケーキのことです。

無塩バター 100g
粉砂糖 100g
たまごMサイズ 2個(100g)
薄力粉 100g
ベーキングパウダー 2g (小さじ1は3gです)

下準備として、ケーキ型にクッキングペーパーを敷き、バターとたまごは冷蔵庫から出して、室温に置き、薄力粉とベーキングパウダーは、一緒にふるっておきます。

バターは、力を入れなくても混ぜられる位の柔らかさにもどれば、ヘラで白っぽくなるまで、よく混ぜていきます。ここに粉砂糖を2~3回に分けて入れ、さらに混ぜていくと、ますます白っぽくなっていきます。次にたまごを大さじ1杯ずつ加え、最後に薄力粉とベーキングパウダーを一度に加えます。

生地のキメを細かくするポイントはたまごの混ぜ方にあります。たまごはよくほぐしてから、大さじに1杯ずつ加えていきますが、その都度、空気を含ませるように、丁寧に混ぜていきます。

170度のオーブンで40分ぐらいを目安に焼きます。 串をケーキに刺してみて、何もついてこなければ、出来上がり。串に生地がついてくれば、もう少しオーブンに入れて焼きます。

プレーンのケーキの場合は、このレシピでいいのですが、レーズンなどドライフルーツを入れて、この分量で焼くと、出来上がったケーキの下側に、ドライフルーツが沈んでしまいます。レーズン、アーモンド、くるみなどドライフルーツを200g入れ、薄力粉は125gに増やして焼くと、薄力粉のグルテンが支えとなって、きれいにケーキの中にドライフルーツが、散らばって出来上がります。

パウンドケーキはフランス語でカトルカール(quatre-quarts)と呼ばれます。カトルカールというのは、1/4が4つという意味で、ケーキの内容がわかりやすいネーミングになっています。

ビクトリア女王が好きだったという、ビクトリアンケーキ、または、ビクトリアンサンドイッチケーキも同量で焼きます。出来上がったケーキを上下に半分に切り、中にジャムを挟み、仕上げに粉砂糖を振ります。または最初から、生地を半分にして、ふたつケーキを焼いて、同様にしても構いません。

もうひとつイタリアのケーキで、バーチ・ディ・ダーマ(Baci di Dama)「 貴婦人の口づけ」というケーキも材料の分量は同じです。ふたつの小さな球体の間にチョコレートクリームを挟んだお菓子です。

アーモンドパウダー 100g
薄力粉 100g
グラニュー糖 100g
無塩バター 100g
チョコレート 30g

下準備は、バターは室温でやわらかくもどしておき、クッキングペーパーを用意しておきます。

ボウルにアーモンドパウダー、薄力粉をふるい入れ、グラニュー糖を加えます。バターを手でつぶしながら、生地をまとめていき、均一にまとまれば、冷蔵庫で30分休ませます。麺棒で1cm厚さに生地をのばし、2cm角に切っていきます。それを手で直径2cmのボールにし、クッキングペーパーの上に並べ、180℃のオーブンで10~12分焼きます。

チョコレートは湯煎にかけて、丸めたボールに挟みます。

重陽の節句

2017.9.8

暦の五節句の最後の節句に当たるのが、9月9日の重陽の節句です。ちなみに五節句とは、次のようになります。

1月7日 人日(じんじつ)七草の節句
3月3日 上巳(じょうし)桃の節句
5月5日 端午(たんご)菖蒲の節句
7月7日 七夕(しちせき)七夕の節句
9月9日 重陽(ちょうよう)菊の節句

節句は元々は節供(せちく)と書き、神に食べ物を供する意味でした。節句は、季節ごとの祝いの日です。 中国では、偶数は縁起の良くない陰数で、反対に、奇数は縁起の良い陽数であると考えられていました。一番大きな陽の数字である9が重なることから、重陽と言い、めでたい日とされました。菊酒を飲んで、不老長寿を願い、また邪気を祓う風習がありました。

菊の花自体は薬草で、解毒や視力の改善があると言われています。最近はスーパーマーケットの野菜売り場に、食用の菊が売られています。この菊の花びらをおひたしにすると、すこし苦味も感じられますが、日本のエディブルフラワー(食べられる花)としても、おいしいものです。お花なので、扱いは丁寧にします。まずボウルに水を張り、菊の花びらを入れ、時間を置いて、汚れを取ります。途中、2回ほど水を入れ替えて、きれいにします。お湯を沸かし、ほんの少しの酢と塩を加えた中に菊の花びらを入れ、さっと、1分もかからない位に湯がきます。ざるに広げて取り、ボウルに用意しておいた冷水をそっとかけて、冷まします。やさしく絞り、そしてひたし地に漬けます。

菊酒はグラスや盃に日本酒を注ぎ、菊の花びらを1~2片浮かべると、素敵だと思います。

アフタヌーンティーのテーブル

2017.9.3紅茶

アフタヌーンティーといえば、三段のティースタンドを思い浮かべますが、それは客間の低く狭いテーブルを、効率良く使うためのものでした。食堂の広いテーブルでは、ティースタンドは使わずに、大皿を使います。

夕食時に食堂のテーブルで、紅茶と肉などの軽い食事を、ハイティー(high tea)と呼びます。また、低いティーテーブルを使ったアフタヌーンティーのことは、ローティー(low tea )と呼んでいました。

ティーフードはサンドイッチ、スコーン、ケーキが基本です。サンドイッチは伝統的なサーモンとチーズ、チキン、そしてきゅうりのサンドイッチでした。

なぜきゅうりが、フォーマルなアフタヌーンティーのフードの中に、入っているのでしょうか?

それは産業革命の頃に、遡ります。1760年代のイギリスに始まった産業革命は、1830年以降、ヨーロッパ各地に広まっていきました。きゅうりの栽培は、当時困難で、温室で栽培していました。従って、新鮮なきゅうりのサンドイッチを提供することは、富の象徴、ステータスでもあったのです。

伝統的に食べる順序は、サンドイッチ、スコーン、ケーキとなります。

テーブルセッティングは、自分の座っているテーブルの端から5~6cmのところに位置皿を置き、その左側にフォーク、右側にナイフを置きます。カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンのこと)は、位置皿より上のラインに置きます。以前、テレビでイギリス人のベニシア・スタンリーさんが、「母から、ナイフとフォークはお皿より下のラインには置かないことと教わった」とおっしゃっていたのを、興味深く聞きました。ティーカップは位置皿の右手上の方向に置きます。

丸、あるいは楕円の大皿に盛り付けたサンドイッチをホステスの右側の第一のゲストから順繰りに廻していきます。二巡目は、ホステスの左側、第二のゲストから順番に取っていただき、スコーン、ケーキも同じように廻します。

ホステスは、ゲストの紅茶が空にならないように継ぎ足すこと、そして会話のリードをすることが役目となります。