1300年後のいまの法隆寺と薬師寺

2024.4.4よしなしごと

木造建築である、法隆寺や薬師寺が1300年も過ぎたいまも、そのころの姿を
とどめ、美しく建っているのは、ほんとうにおどろきです。

どうしてでしょうか、、

それは、ヒノキの木を使ったから。
そして、それも樹齢1300年のヒノキを使ったことで、建物が1300年残っているのだということを、はじめて西岡常一(つねかず)さんの本で知りました。

西岡常一さんは、明治から平成にかけての、伝説の宮大工の棟梁でした。
その西岡さんの本、「木に学べ」は、知らないことばかり、そして西岡さんが語られたことばで書かれているので、映像で知っている西岡さんをなつかしみながら、
読みました。

ヒノキの木のことは、すでに、日本書紀にあったそうです。
スサノオノミコトがヒゲを抜きそして放つとスギが生え、胸毛を抜き放つとヒノキが
生え、眉毛を抜き放つとクスノキが生えたという記述があり、用い方にも、ヒノキは
立派な建物に、スギとクスノキは、浮き宝(船)にせよと定むとあります。

法隆寺、薬師寺はすべてヒノキ、神代からの伝承を受け、伽藍はヒノキひとすじ
だそうです。

ヒノキは樹齢が長く、すべてのヒノキが千年もつわけではないけれど、だいたい、
千年から1300年で、伐採され、建物の材料になるようです。

法隆寺ができてから、1280年を過ぎたときに解体したとき、塔を支える五カ所の隅に、5本の木が下から一直線にスーッと立っていたそうです。
飛鳥の人たちの仕えごとを目にしたときの感動は、どんなに深いものだったでしょう。

Prev