佐藤愛子「思い出の屑籠」を読んで

2024.1.5よしなしごと

佐藤愛子さんは、昨年の11月5日に、百歳のお誕生日を迎えられました。

佐藤愛子さんの最新のエッセイ、「思い出の屑籠」をたのしく読みました。
すこし小さなサイズの本で、装丁もかわいい。

こどもの頃の、しあわせな思い出を綴られているのですが、簡潔、的確な文章で、
昭和の雰囲気も、また、「血脈」にはない、父佐藤紅緑、兄サトウハチロウの一面が
わかり、なによりたのしく思うのは、この愛子ちゃんが、のちに、たくさんの作品を
書き、また、遠藤周作や田辺聖子、北杜夫など、たくさんの作家の作品に登場するのを私たちが知っていることです。

読んでいくうちに、これはお手本にすべき、きちんとした日本語だと気がつき、
また、読みやすいと思ったのは、文字の大きさや文字の量でもなく、ページに
あらわれる漢字やひらがなの使いかたではなかったかと思い至りました。

これでおしまい、とありましたが、その続きがたのしみだし、お元気で、そして美しく
いてくださることは、わたしの目標になります。

前におっしゃっていた、「人生は美しいことだけ憶えていればいい」という
ことばとともに。

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