東山魁夷展と京都あちこち
2018.10.11よしなしごと
先日、京都の国立近代美術館へ、生誕110年東山魁夷展を見に行ってきました。
朝早い時間に阪急河原町に着いたので、ブランチとして、烏丸御池のイノダコーヒー本店で、食事をすることにしました。
ラッキーなことに、旧館に案内され、クラシックな洋館の中で、時間を過ごすことができました。
おなかがすいていたので、その日はボリュームのあるクラブハウスサンドを注文し、ここでは紅茶ではなく、アラビアの真珠というモカがベースになった深煎りのコーヒーにしました。
注文の時に、「お砂糖とミルクを入れてもいいですか」と聞いてくれるので、そのようにお願いすると、おいしく頂けます。
クラブハウスサンドはとてもボリュームがあるので、人と分けても充分な量です。
トイレに向かう通路には、鳥かごがあって、インコがいますよ。ちょうど女性の方がお世話されていました。
バスに乗らず、歩いて美術舘に行きましたが、10分ぐらいで着きます。
朱色の大きな大鳥居が見えてくると、ホッとします。
人気なので、混み具合が気になっていたのですが、列もなく、スムーズに入れました。
たくさんの作品の中、白い馬のいる風景や、「冬華」のタイトルで有名な冬の太陽と白い大きな木、「花明かり」やいろんな作品にある「青」の色がとても好きです。
混んではいなかったので、作品に近づいてみることも出来、また、唐招提寺の御影堂障壁画は、長い時間をそこにいると、鑑真にこの風景を見せたいと描いた自然が、とても力強く感じられました。
長野県の善光寺に行くと、すぐそばに東山魁夷館があり、旅先で見る絵も、とても素敵でおすすめです。
帰りは、すっかり観光客モードになり、鳩居堂で和紙でできた箱やかわいい封筒を買い、せっかく近くまで来たからと 俵屋さんのギャラリー遊形まで足をのばしてみました。
お店の香りに惹かれて、有名な石鹸を買いました。200余の香りをブレンドしているそうです。
ベルガモット、ローズ、サンダルウッド、ジャスミン、パチュリー、ラヴェンダー、ラブダナブ、ムスクなど、天然香料がたくさんです。
使ってみると、とてもキメの細かい泡立ちで、洗顔にも使っています。
小さな石鹸ですが、水分に溶けることなく、長持ちしています。
香りゆたかなので、洗面所にもゴールドの包み紙そのまま置いています。
珍しいぐらい観光客が少なくて、ゆったりと満足な一日が過ごせました。
紅茶のグレードについて
2018.10.9紅茶
「グレードが高い」という言葉からは、「とても良いもの」という印象がありますが、紅茶の場合は、すこし意味合いが違います。
紅茶を作るときに、乾燥後ふるいにかけますが、その時に同じサイズの茶葉を表す言葉が「グレード」で、紅茶の品質をランク付けしたものではありません。
茶葉のサイズの大きなものから並べてみます。
オレンジ・ペコOrange Pekoe
「オレンジ・ペコ」という名前は、「白毫ぱいはう」という中国の白茶の一種がヨーロッパに入った時、イギリス人は、「ペコー」とそのお茶を認識し、その後、水色がオレンジ色の紅茶が入ってきた時、中国語での「橙黄白毫」を「Orange Pekoe」と訳したのがきっかけです。
オレンジの香りや味があるわけではありません。
ダージリンやアッサムの紅茶が代表的です。
ペコPekoe
ペコ・スーチョンPekoe Souchong
ペコよりもさらに小さくなり、水色や香りは淡く、味も淡白です。
スーチョンは中国語で「植物の小さな種」を意味します。
ブロークン・ペコBroken pekoe
ブロークン・オレンジ・ペコBroken Orange Pekoe
本来オレンジ・ペコとなる葉を細かくしたもので、品質はすぐれています。
抽出が早く濃く出るのが特徴で、快い渋みもあり、香りも備わっています。
スリランカではこのタイプが多く、高級品質紅茶の代名詞にもなっています。
ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングスBroken Orange Pekoe Fannings
抽出時間は早く、濃厚でボディーのしっかりとした味を作ります。
チャイやティーバッグでよく使われます。
ファニングスFannings
水色は、深く沈んだ色で、味は重く、渋みもあります。
ダストDust
茶葉の中で、最も細かいサイズの葉です。
品質のよいブロークン・オレンジ・ペコを作ったときに出来たダストの水色は濃く、風味も豊かなので、良質なティーバッグに使われます。
茶葉の大きさに注意すると、抽出する時間にも勘が働き、おいしい紅茶になります。
葉っぱが紅茶になるまで
2018.10.5紅茶
紅茶は、摘み取った葉をしばらく置いてしおらせ、その葉を揉み、葉の汁を出します。
それを酸素に触れさせておくと、発酵が進み、紅茶ができるというわけです。
この工程を機械化すると、16~18時間で紅茶になります。
一般的な紅茶の作り方です。
萎凋(いちょう)Withering
一芯二葉や一芯三葉で摘んだ葉を萎らせた後、水分を40~50%蒸発させ、揉みやすくします。
揉捻(じゅうねん)Rolling
葉をねじり、細い棒状に形を変え、細胞や組織をつぶして、葉汁を出します。
葉の表面から、酸化発酵の触媒をつとめる酵素、ポリフェノール等が出て来て、活性し始めます。
そしてさらに葉汁に含まれるポリフェノール化合物や葉緑素が酸化発酵をし始めます。
この結果、紅茶の味、香り、水色が作り出されて、紅茶の風味が作られます。
ローターバンRotorvane
その後、葉をさらに細かくカットすることで、多くの葉汁が出て、発酵していきます。
玉解きとふるい分けRoll breaker
ふるい分けることで、葉が酸素と触れ、発酵しやすくなります。
酸化発酵Fermentation
この工程で、紅茶の香味が出てきます。
乾燥Drying
茶葉の発酵を完全に止め、紅茶が完成します。
もうひとつ、顆粒状になった紅茶があります。CTC茶といいます。
1930年代に始まった製法で、インドのアッサムやドアーズで拡がっていきました。
葉を萎凋、揉捻した後に、crush(押しつぶす)、tear(引きちぎる)、curl(粒状に丸める)ということができる機械を通すわけです。
葉は、粒状に、丸くなって出てきた後、酸化発酵、乾燥を経て、紅茶になります。
この紅茶は、ケニアでもよく生産されています。
渋みが少なく、普通の茶葉よりも早く抽出できるので、チャイやティーバッグによく使われています。