「LeTAO」の「ドゥーブル・フロマージュ」に合う紅茶

2018.7.7紅茶

北海道を旅行していたからと言って、持って来てくれたおみやげのトップが、「LeTAO] のチーズケーキでした。
私の大好きな、「ル・タオ」の「ドゥーブル・フロマージュ」

早速頂くのに、この時期ならアイスティーをセパレートティーにアレンジして、華やかなペアリングを思ったのですが、まだ梅雨の明けない雨の日なので、ホットティーで合わせることにしました。

「ドゥーブル・フロマージュ」の主な材料は、クリームチーズとマスカルポーネチーズと生クリームです。
チーズといえばワイン、それはワインに含まれるタンニンが、チーズの脂肪分を分解させるからです。
紅茶の主成分はタンニンなので、同じように乳脂肪を分解してくれるので、さっぱり感が味わえます。
「ドゥーブル・フロマージュ」は、とても軽やかで、さわやかなチーズケーキなので、紅茶の香りや個性が邪魔しないように、考えてみました。

タンニンの含有量の多いリーフは、乳脂肪を分解する力も強いのですが、香りや渋みも強いので、ミルクを使ってマイルドにしてみます。
低温殺菌のノンホモジナイズドミルクで、イングリッシュミルクティー、つまりtea with milk にするわけです。
リーフは、ウバ、アッサム、ニルギリ、イングリッシュブレンドなど、紅茶らしいボディーのしっかりしたもので、ミルクを入れたときに、おいしそうなミルキーブラウンになるようにします。
温めておいたティーカップに、先に低温殺菌、ノン・ホモジナイズドの冷たいミルクを20cc強入れ、紅茶をその上から、ティーカップに9分目とたっぷりに注ぎます。

もうひとつ、「ドゥーブル・フロマージュ」のさわやかさにあわせて、レモン・ミルク・ティーも良いペアリングだと思います。
これは、インディアン・ミルク・ティーにレモンの風味をつけたものです。
ミルクにレモンの果汁を入れると分離してしまうので、先にミルクパンにお水と茶葉を入れ、レモンの皮の削ぎ切りにした2~3片を、少し手で押さえ、香りが出るように入れて煮出し、リーフが開き紅茶ができたら、ミルクを加えます。
お水とミルクの割合は、4:6ぐらいを目安にします。
ティーカップに紅茶を注ぎ、レモンを飾ります。

それぞれ、ケーキと合わせて飲んでみましたが、低温殺菌のミルクがたっぷり入った、イングリッシュミルクティーの方が、さっぱりした飲み心地で、チーズと良いバランスだと思いました。

19世紀に現れたトーマス・リプトン

2018.7.5紅茶

19世紀は、紅茶がイギリスに出回り、云わば、生活に欠かせないような飲み物になった時代です。

1850年に生まれたトーマス・リプトンは、15才でアメリカに渡り、そこでいろいろな仕事を経験し、19才で故郷のスコットランドに戻ってきます。
リプトンの実家は、バターやハムを売る小さなお店を開いていましたが、リプトンはそこから独立し、30才になる頃には、20店舗以上のお店を持つに到っていました。
しかしリプトンの思いは、庶民の間でも日常的になっていた紅茶をどうにか扱いたいということでした。
安く売る、人々の口に合うおいしい紅茶を売りたい、量り売りではなくパック詰めで売る、そして、土地の水質で紅茶の風味が変わることを知っていたリプトンは、その水質にあわせたブレンドを考えたいと願っていました。

40才前に、リプトンはセイロン島に渡ります。
そこで自分の茶園を手に入れ、新鮮な紅茶の供給に乗り出したのです。
リプトンの頭にあったのは、母の教え、つまり、「生産物は生産者から買う」ということでした。
「direct from the tea garden to the teapot」、すなわち、「紅茶園から直接ティーポットへ」を実践したのです。

リプトンのおかげで、紅茶の価格は安くなり、しかも大量に売り出されるようになったので、ますます日常に必要な飲み物になっていきました。

19世紀の半ば過ぎには、イギリスはインドでアッサム茶の栽培に成功し、それがイギリス東インド会社により、ロンドン市場に出回ってきました。 
濃厚で味わい深く、コクがあり、厳しい労働条件の中で働く人々にとって、ホッとする刺激の強い味でもあったのです。
このダークな水色は、ミルクを加えるとおいしそうなブラウンとなり、ますます庶民の生活に不可欠な飲み物になっていきました。

人々の口に合う紅茶のブレンドの開発や、イギリスの茶貿易における功績で、リプトンは後に、ヴィクトリア女王から「サー」の称号を受けました。

半夏生(はんげしょう)

2018.7.2

今日は暦の七十ニ候では、「半夏生」と言います。
夏至から数えて11日目にあたり、梅雨明けもし、そして田植えも終える時期として、伝わっています。

半夏生の花は、緑の葉っぱの下半分が白くなっているのが特徴で、別名、「片白草、かたしろぐさ」と見たそのままに名付けられています。 
茎の先に小さな白い花が密集している穂を持ち、それは、「トカゲのしっぽ」と言われています。

葉っぱの半分だけが白いところから、お化粧の途中という感じもあり、「半化粧」と呼ぶところもあります。
ドクダミ科に属しているせいか、なかなか強く、この夏の季節に水辺で密集して咲いているのは、なかなか涼やかな風景に思います。

関西ではこの頃に、たこを食べる習慣があります。
田植えの終わった稲が、蛸の足のように、田んぼにしっかりと根付くようにという謂れからきています。
蛸には、「タウリン」という疲労回復に役立つ栄養効果があるので、この季節にふさわしい食べ物とも考えられていたのでしょう。
いろいろなお料理の仕方がありますが、きゅうりと蛸の酢の物があっさりとよく食べられています。