住吉大社と浦島太郎

2022.6.11よしなしごと

大阪の南海電車で、「住吉大社駅」または、路面電車の阪堺(はんかい)電車で、「鳥居前」の停留所で降りると、目の前が住吉大社になります。

特に、阪堺電車を利用すると、太鼓橋がすぐで、昔は、海の入り江がここまであり、「遣唐使進発の地」の碑もあります。

神功皇后の孫の、仁徳天皇が開いたといわれているこの住吉津(港)から、航海の無事を祈り、遣隋使、遣唐使が旅立っていました。
住吉大社の本宮が四つあることから、遣唐使船は、四隻で構成されていたのではないかと伝わっています。

もうひとつ、ここには、浦島太郎の伝説があります。

万葉集に、「住吉(すみのえ)に、帰り来たりて家見れど、家も見かねて、里見れど、云々」という文が残っています。

浦島太郎は住吉の住人であった、
住吉大社の近くの塚には、玉手箱を埋めたとされる地、玉手箱があった、
近くの帝塚山古墳は、浦島太郎のお墓という伝説もあります。

長野には、浦島太郎が玉手箱を開けた地、と言われている場所があり、さもありなんと思ったところがあります。

「寝覚めの床」という、木曽川の岸に、巨岩がたくさん並んでいるところがあり、長い年月の侵食の影響か、岩の上は床のように平らで、歩けます。

特に大きな岩には、「屏風岩」「亀岩」と名づけられ、この岩の上に座って、玉手箱を開けた浦島太郎を思うと、呆然とした浦島太郎の表情がリアルに思えました。

オートファジーを意識してみた

2022.6.9よしなしごと

一日三食の食事から、気づくと、遅い朝食と夕ご飯の二食になっていました。

オートファジーという食事法を知り、それに近い生活をしていたので、興味を持ちました。
オートは自ら、ファジーは食事というギリシャ語のことばです。
この研究は、2016年に、ノーベル生理学、医学賞を受賞しています。

オートファジーは、細胞内の古くなったタンパク質を新しいものに作り変えるということで、食事から食事までを16時間空ける、つまり空腹の時間を作る食べ方です。

5~6時間しか空かない食事では、消化しきれず、胃腸、肝臓の負担になっていたわけです。
脂肪の燃焼は、10時間かかるといわれます。
空腹時間を作ることで、血液も改善されます。
そして、一番うれしいことが、若返りができるということです。

夕食が19時なので、次の食事は午前11時になります。
食事の内容は、制限なく、なんでも好きなものでよいので、そんなに負担はありません。
どうしてもなにか食べたいときには、ナッツがすすめられています。

ふたつの時間がきっちり決まると、それに従って、生活時間が決まっていきます。
規則正しい生活ができそうです。

現代語訳で読んだ「竹取物語」

2022.6.7よしなしごと

「竹取物語」ー田辺聖子、現代語訳を読みました。

軽い気持ちで読み始めたのに、引き込まれ、夢中になって読み終え、正直な感想が、「えっ、かぐや姫ってこんな話しだったの、、」というおどろきと感動でした。

竹の根元が光って、中にかわいい女の子がいる挿し絵や、天に昇っていくかぐや姫の姿の絵本が印象に残っているだけのおとぎ話の、それぞれの人物がこんなにも深い襞をもっていたとは知りませんでした。

かぐや姫の、五人の求婚者が見つけたきた品々に対して発したことばやうた、のちに帝、翁に対する振る舞いに、芯がつよくありながらも、深いおもいやりのかぐや姫に、生身の人間性を感じました。

「ものがたりのいで来(き)はじめの祖(おや)」と、紫式部はいったそうですが、仮名で書かれたわが国最初の物語にすばらしさを感じます。

五人の求婚者からの顛末から、阿部の大臣があえなく失敗したことを、「あえ(阿部)なしという、、」また、子安貝を取り損ねた中納言が発したひと言、「ああ、貝がない、、」から、期待はずれを「かいがない」というようになったなど、それぞれちいさなおはなしに、ユーモアのあるオチが書いてあり、それもおどろきでした。

迎えにきた天人が、天の羽衣と不死の薬を持ち、かぐや姫に、穢い地上のものを食べていたので気分がわるいはず、と薬を飲むように勧めます。

帝へ、そのわずかばかりの薬と手紙を残し、飛ぶ車に乗って天に昇っていった、というくだりに至っては、まるでSFの宇宙人のおはなしのように思ってしまいました。

その頃の政治やまわりの貴人に対する風刺ともとれる部分もあり、まだわからない作者が、どんな人物だったのか、想像がふくらむばかりです。