「つきとあそぼう」
2018.8.27よしなしごと
外に出ると、おつきさまが、まんまるで、虫の声だけが聞こえ、とても気持ちの良い夜です。
風が吹き、雲がながれ、月も同じように流れていく様子をみて、何かに似ていると思いました。
谷内こうたさんの絵本、「つきとあそぼう」でした。
三角帽子の男の子があらわれ、月と遊んでいるうちに、くろい雲が現れて、、と言葉は抑えられ、絵だけが物語りを作っていきます。
彼の絵本は、ほとんど言葉がありません。
出会ったのはずいぶん前のことです。
たまたま通りがかった書店で、絵本の原画展があり、そこで目にした一枚の絵に、心を奪われてしまったのです。
さりげなく置かれていた絵は、絵本「のらいぬ」からの一枚でした。
暑い日ざしを浴びた砂や、夏の海、そしてその空気感が、とてもシンプルに描かれていて、感動しました。
それから、「なつのあさ」、「ぼくだけのにんぎょう」「にわかあめ」「あのおとなんだ」「ひこうきとぼく」「かぜのふくひは」など絵本や画集を手元に置き、大切に読んできました。
「にわかあめ」では、少年三人が雨宿りするシーンがあるのですが、木に駆け込んできた少年の息遣いや雨の音、湿り気のある匂いまで感じられ、とても好きです。
「ぼくだけのにんぎょう」も、とても素敵な作品で、見る人がそれぞれに、それぞれの音楽を聞いてほしい、という画家のことば通り、楽器を持った奏者の現れかたやスタイルを見ていると、どんどん想像が広がっていきます。
美しい芸術だと思います。
処暑、綿のはなしべ開く
2018.8.22暦
8月23日は、処暑といわれます。
暑さのピークが過ぎ、季節は、変わっていきます。
8月23日 初候 綿の柎(はなしべ)ひらく
8月28日 次侯 天地始粛 てんち はじめて さむし
9月2日 末侯 禾乃登(こくもの すなわち みのる)
「はなしべ」とは、お花のがくのことです。
綿の種を頂いたとき、庭で、育てたことがあります。
イメージは、スカーレット・オハラのタラの広大な農園の綿畑でしたが、わたしは、ひっそりと一畝だけ作り、種を蒔いたのでした。
10日あまりすると、芽が出てきて、ちょっとホッとしました。
お花は、芙蓉やハイビスカスと同じ仲間なので、似たような黄色いお花が咲きます。
一日だけのお花です。
それから1ヶ月ほど待ってみると、お花のあとに、綿の実ができます。
熟すと実がはじけ、中から綿があらわれます。
白いふわふわが出てきたときは、ミラクルと思いました。
収穫後は、念のために、しっかりと乾燥させます。
綿は、紀元前2500年には、すでに古代インダス文明の土地で、栽培されていました。
日本には、奈良時代に入ってきました。
その頃から、綿は衣になり、種は綿実油として、利用されていました。
クッションを作ろうと、意気込んでいたのですが、植えたのはほんの一筋だったので、小さなピンクッションができただけでしたが、充分にテンションが上がり、
幸せでした。
お花屋さんでは、「コットンツリー」という名前で出ていることがありますが、これは、綿の実が熟したものを茎ごと、ドライフラワーにしたものです。
鈴虫と鈴虫寺
2018.8.21よしなしごと
昨晩、リーンリーンと、ひときわ高く、虫の声が聞こえました。
すずむしです。
この鈴虫の声が聞こえるのも、10月ぐらいで終わってしまいますが、一年中、鈴虫の声が聞こえる所があります。
その名前もズバリ、鈴虫寺といいます。
京都にあります。
阪急嵐山線の[松尾大社駅」で降り、15分あまり、たっぷりと歩きます。
西芳寺(苔寺)や松尾大社が近くにあります。
お寺に着くと、「鈴蟲の寺 華厳寺(けごんじ)」と立派な石碑があり、石の階段を昇っていくと、お寺の玄関に着きます。
ここは、ご住職のお話がとてもおもしろく、有名で、その説法を聞くために、大勢の人であふれている時もあります。
本堂でお話があるのですが、ここに鈴虫のケースが並べてあり、いつでも声が聞けるわけです。
ここにはもうひとつ、有名なお地蔵様がいらっしゃいます。
「国内でここだけです。」とご住職がおっしゃっていましたが、このお地蔵様は私たちのところに、みんなの願いを叶えるために来られるので、わらじを履いておられます。
そのお地蔵様が迷われないように、お願いする時は、住所と名前をお伝えすることになっています。
お守りもあります。
黄色い色をしたお守りで、「幸福御守」と書いてあります。
お作法があって、「幸福御守」の「幸」の字がお地蔵様の頭にあたるので、その字はふさがない様に両手で持って、お祈りします。
ひとつだけ、願いを叶えてくださるそうです。
お庭にも出られます。
竹林が美しいので、お薦めです。