新年2019年
2019.1.4紅茶
「ムレスナティー」の素敵な言葉、「たくさんの幸せが舞い降りますように、、のおいしい紅茶」に惹かれて、お正月に淹れてみました。
これは、バラとモモのフレーバーティーです。
普通の紅茶のように、3分以上蒸らすことなく、はやく抽出できます。
ティーポットで蒸らして、カップへ注ぎ終わるまで、40秒で出来上がりとあります。
香りがいいので、そのまま楽しみたいところですが、お砂糖を少し加えることで、このフレーバーが引き立つようです。
「洗双糖きびざとう」を勧めています。
きび砂糖の糖蜜を、遠心分離機をかけ、糖蜜を取り除いたお砂糖の結晶のことです。
普段ブラックティーを飲むことが多いので、お砂糖を入れることに、少し抵抗がありましたが、生砂糖をすこし入れてみると、香りだけがふわふわと立ち上っていた紅茶に、低音が加わった感じがして、ボディーがしっかり立った印象になりました。
リーフはヌワラエリヤなので、特徴ある渋みが押さえられるのかも知れません。
香りはふしぎ、、
一瞬で気持ちが変わってしまいます。
ベートーヴェンとタッジオ
2018.12.21音楽
12月16日は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの誕生日でした。
ベートーヴェンが、ドイツのボンで生まれた1770年は、哲学者ヘーゲルが同年に生まれ、そして、ルイ16世とマリー・アントワネットが結婚した年でもありました。
フランス革命は、1789年に起こりました。
アメリカでは、1773年のボストンティーパーティーを契機に、アメリカ独立戦争へと向かっていき、1776年7月4日、アメリカは独立宣言をしました。
音楽の世界では、モーツァルトが1791年に亡くなるまでに、ベートーヴェンと一度出会ったというお話しが残っています。
ヨーロッパのスタイルは、バロック様式から、曲線が優美な、ロココへと移っていった時期でもありました。
そんなベートーヴェンの小曲、「エリーゼのために」が象徴的に使われた映画があります。
トーマス・マンの小説、「ヴェニスに死す」を原作に、ルキノ・ヴィスコンティ監督が、格調高く映像にしました。
原作では、主人公は作家の設定ですが、映画では、作曲家アッシェンバッハとして登場します。
グスタフ・マーラーを彷彿とさせる風貌のアッシェンバッハと、使われている音楽は、マーラーの交響曲第五番4楽章アダージェット、同じく交響曲3番の4楽章、さらに、ムソルグスキーの子守唄などもありますが、マーラーのアダージェットを聞くだけで、この映画の場面が立ち上がってきます。
芸術における美とはなにか、、
完璧な美しさと若さを持った貴族の少年、タッジオをはじめて見たときに、アッシェンバッハは強く惹かれてしまいます。
タッジオやその家族、特に母親の美しさや挙措に、本来の貴族の持つ雰囲気を感じたのは、ヴィスコンティ自身が貴族の出身であり、その生活から投影させたものかもしれません。
滞在しているヴェニスのホテルのサロンでピアノを弾くタッジオ。
エリーゼのメロディーを、片手で物憂げに弾くのですが、音色の美しさ、音と音とのあいだの静かな心情が、とても惹きつけられるシーンです。
続いて聞こえるエリーゼは、アッシェンバッハの回想として、そしてそれは、思い出したくなかったであろう、美とは対極のエリーゼが弾かれていました。
見る者の状況により、文学や音楽など、作品の印象は変わっていくものですが、この映画は、もともと見る側に、人生の時間と経験を要求するー成熟さを求めて作られたのかもしれません。
くり返し読むことはしなかった原作ですが、美しいタッジオやカメラワークに惹かれ、この先見続けたとき、何を見つけるのか、たのしみな映画といえます。
冬のお花と赤い実
2018.12.11よしなしごと
散歩をしていると、赤い実をつけた木に目がいきます。
寒い季節に、その赤い色がとても美しく映えますね。
よく似ている木に、千両と万両があります。
千両は葉の上に、万両よりも小さい赤い実をつけます。
万両は、葉の下に赤い実をつけますが、Coralberry(さんご色の実)といわれるように、つやのある赤い色をしています。
同じく赤い実を持つ南天は、難を転じる木として、裏鬼門の南西に、そして表鬼門の東北には、ヒイラギを植え、鬼封じとします。
ヒイラギの葉のとげとげが、邪気を祓うと信じられ、魔よけの木となりました。
白いお花が咲くヒイラギは、モクセイ科の木ですが、クリスマスに使われる赤い実のなるセイヨウヒイラギは、モチノキ科です。
冬のお花は、断然はシクラメンですね。春まで長くお花が楽しめます。
英語では、「sou bread」といい、文字通り、「雌豚のパン」という意味で、球根が豚の食べ物になることからきています。
「ぶたのまんじゅう」という言い方も、豚の食べ物からきています。
「かがりびばな」という素敵な名前もあります。
田辺聖子さんの短編に、「篝火草(シクラメン)の窓」という作品があります。
「週末の鬱金香(チューリップ)」という短編集の中のひとつです。
線路沿いの一軒家の窓辺に、冬はシクラメンが飾ってあり、その風景を電車の窓から、たのしみにしていた人がありました。
ある日、窓辺にシクラメンはなく、とてもそれが気になってしまった人は、シクラメンを抱えて、訪ねていきます。
短いおはなしですが、こころが静かにゆれる物語です。