暑中お見舞い申し上げます

2018.7.23

タイトルのように、「暑中見舞い」のご挨拶ができるのは、今日、7月23日の「大暑」から8月6日の立秋までの期間です。

盛夏、極暑(ごくしょ)、炎暑など、きびしい暑さの極みのような言葉や、もっと直接的に、炎ゆ(もゆ)、暑し、と燃え盛るような、照りつけるような暑さを表現する言葉が、季語にはたくさんあります。

ずばり「大暑」という季語を使って、鈴木真砂女が とてもおいしそうな俳句を残しています。
くずもちの きな粉しめりし 大暑かな

芥川龍之介にも、作品があります。彼は、「我鬼」という俳号を持っていました。

兎も 片耳垂るる 大暑かな

もう一句、有名な夏の俳句があります。

青蛙 おのれも ペンキぬりたてか

はじめて読んだ時は、目がテンになりましたが、のちにこれは、ジュール・ルナールの「博物誌」のなかの一文、「青蜥蜴、ペンキ塗りたて ご用心」から句にした、本歌取りのような一句だと知りました。

ルナールは「にんじん」という小説で有名ですね。「にんじん」とあだ名を付けられた、赤毛の少年の心理を描いた作品で、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督が映画にもしました。

龍之介は、「河童」を最後に残し、亡くなりました。

明日、7月24日は、河童忌、龍之介の命日にあたります。

Next

Prev