春のきっかけと春の紅茶 

2018.3.12紅茶

奈良の東大寺二月堂では、3月に入ると、14日まで修ニ会が行われます。

特に12日深夜から未明にかけては、この行を勤める練行衆の道明かりとして、童子と言われる人たちが、7メートルもの大きなたいまつを振りかざし、二月堂の回廊を駆け巡る風景は、よくテレビで目にします。
一度も絶えることなく、今年で1260回を超えるというのですから、本当に驚いてしまいます。

お水取りが終わると、本格的に、春がやってきます。

春のお菓子と言えば、やはり桜餅やうぐいすもち、三色だんごなど、日本の四季を意識した和菓子に目がいきますね。
和菓子と紅茶は、合うのでしょうか。

紅茶は、緑茶のように繊維質を多く含んでいないので、甘みのある和菓子と合わせると、紅茶の渋みが、口の中をさっぱりとさせます。
そして紅茶の幅広い香りが、和菓子の個性を邪魔せず、個々の風味ととてもよく合います。

茶葉は、和菓子の強い甘みを和らげ、すっきりさせる紅茶として、少し渋みのある、ダージリン、キーマン、ウバ、ヌワラエリアが、合います。
ブラックで、頂きます。
和菓子には、ミルクを使った紅茶は、合いません。
目先を変えて、風味がやわらかい和紅茶と合わせても、おいしく頂けます。

誰に宛ててのことではありませんが、
春です。  起きてください。

わたしが歩くとき わたしが歩くとき

2018.3.10よしなしごと

ポーセリンペインティングをしている友だちと、会いました。彼女は、磁土から作品を作り、絵付けをしています。わたしへの新作のプレゼント兼ご意見伺いでした。

イギリスでは、ティータオルの出始めの頃から、ウェッジウッド、コールポートの食器が大切にされました。スージー・クーパーのデザインは、現エリザベス女王の母、皇太后もお好きだったようで、アンティークとして、いまも人気がありますね。
マイセンやヘレンド、ジノリ、フランスのジアン等々、日本では、楽吉左衛門(らく きちざえもん)を好み、ボタニカルアートでドゥルーテの絵も勉強している彼女の作品がたのしみです。
アトリエでゆっくり作品を考えたいし、冗談まじりに、それに歩くのもゆっくりがいいという言葉に、思い出すことがありました。 

ネイティブアメリカンのひとつに、ナバホ族がありますが、そこに伝わっている美しい詩があります。

As I walk with Beauty

As I walk,as I walk
The Universe is walking with me
In beauty it walks before me
In beauty it walks behind me
In beauty it walks below me
In beauty it walks above me
Beauty is on every side
As Iwalk,I walk with Beauty

美しさとともに歩くとき

わたしが歩くとき、わたしが歩くとき
世界もわたしと共に歩く
美しい世界がわたしの前を歩く  
美しい世界がわたしのうしろについてくる
美しい世界がわたしの足元にある
美しい世界がわたしの上にひろがる
美しさは周りのすべてにある
わたしが歩くとき、わたしは美しさと共に歩く

女性の日とミモザの日

2018.3.8よしなしごと

3月8日は「国際女性デー」と言われています。
始まりは、1904年アメリカで女性の参政権を求め、デモが起こったことがきっかけです。それから6年後、女性の政治的な自由や平等のために立ち向かう日として、記念日となりました。

同じ日、イタリアでは、「Festa Della Donna フェスタ デッラ ドンナ」 つまり、「女性の日」と言われ、男性が感謝を込めて、ミモザの花を贈る日です。
「女性の日」にふさわしい花として何を贈るのがいいのだろうか、当初はスミレの花が候補に挙がったのですが、スミレの花は高価で、みんなが気軽に贈ることはできません。
ミモザの花は、イタリアでは、自生する身近な花だったため、誰でも気軽に贈れるというところから、ミモザに決まったそうです。
花言葉には、思いやり、友情、女性らしさがあります。
春を告げる花と言われ、華やかな黄色が街にあふれるのは、とてもわくわくする素敵な風景だと思います。

ミモザの花で思い出すのは、シャンソン歌手バルバラが歌った、「ミモザの島」です。

そして小説では、岸惠子さんが書かれた、「わりなき恋」にミモザがでてきます。
1968年の「プラハの春」、「アラブの春」、東北の地震を時間軸に、若くはない女性と年下の男性との出会いと別れを描いた作品です。
エピローグでは、笙子のことは、書かれていません。
別れから10年後、男は坂の上の笙子の家を訪ねるのですが、裏庭に大きな房をつけたミモザの木だけがあり、ミモザの花は夕闇に包まれ、遠く蒼ずんで、空の中にとけていた、と結ばれています。

ゆで卵の黄身だけを丁寧に裏ごしにかけると、サラダ、ちらし寿司などお料理の仕上げに使うと、華やかでおいしいミモザになります。