沖縄の黒糖と紅茶
2019.6.2紅茶
おみやげに頂いた黒砂糖の箱を開けると、いろんな島の黒糖の詰め合わせでした。
「八島黒糖(はちしま こくとう)」と書いてあり、伊平屋島(いへや)、伊江島(いえ)、粟国島(あぐに)、多良間島(たらま)、小浜島(こはま)、西表島(いりおもて)、波照間島(はてるま)、与那国島(よなぐに)、の八島からの黒砂糖でした。
黒糖は、小さく砕いてあり、それぞれの袋に入っているので、そのときの気分で選べます。
せっかくなので、食べ比べをしてみると、見事に黒糖の色、甘みの濃さが違い、そしてしょっぱさというのか、苦味のようなざらつきを持つ黒糖もありました。
だからといって、不味いのではもちろんなく、バリエーションゆたかな黒糖におどろきました。
個人的には、西表島の黒糖が、舌に、なじみ深く思えました。
お抹茶に金平糖を合わせたりもするので、黒糖をお茶うけとして、紅茶とのペアリングを考えてみました。
スリランカの高地産のウヴァやディンブラで合わせてみると、それなりにおいしく味わえたものの、黒糖の甘みが紅茶を飲んでしまったあとも、強く残りました。
低地産のルフナはどうでしょう。
ルフナは、もともとリーフの中に、少し焦げそうな香りを持っています。そして高地産の紅茶に比べると、コクはありますが、渋みは少ない紅茶です。
ストレートに、ブラックティーで合わせると、バランスが良いように思いました。
ルフナは、ミルクとも合うので、ミルクティーにして合わせてみると、良い組み合わせとなりました。
インドの紅茶では、ダージリンよりもアッサムがボディーがしっかりしているのでおいしいです。
ブラックティーも、もちろんミルクティーにしても大丈夫です。
中国の紅茶では、アールクレイよりは、個性的なキーマンをしっかり淹れると、コクと強い香りが、甘さと対抗できます。
堀文子さんのこと
2019.5.17よしなしごと
神戸六甲山にある高山植物園のブルーポピーが見頃だそうです。
ガラスの室内での栽培も含めると、1500株にもなるそうです。
ブルーポピーは、ヒマラヤの標高4500メートル以上のところでしか咲かない花で、野外では、ここでのみ、咲いています。
このお花を見たのは、堀文子さんの絵が先でした。
堀さんが82才のときに、実際に、ヒマラヤに出かけて描いたというお話しは、有名ですね。
「群れない、慣れない、頼らない」という堀さんが大切にされていた感覚を、ブルーポピーはヒマラヤの風に吹かれながら、体現していたのかもしれません。
六甲山で見た実際のお花は、絵の印象とは、ずいぶん違って見えました。
ブルーの色は絵よりも淡く優しい色合いがし、棘の印象も力を持った、鋭いものではありませんでした。
1000メートルに満たない六甲山の高さでは、お花のニュアンスも変わってしまうのかもしれません。
「徹子の部屋」には、「アフガンの王女」という、黒柳徹子さんをモデルにした絵が飾られていますが、もうひとつ、同じく徹子さんモデルの「アフガンの女王ー頂点に立つ者の孤独」も、憂いのあるとても趣のある絵です。
堀さんの展覧会に出かけたとき、入り口に飾られていた絵は、古代マヤでは「神の使い」と言われる世界一美しい鳥、ケツァールの絵でした。
アマゾン、イタリア、など世界のあちこちの風景と人物、そしてミジンコの世界まで、そのときどきに惹かれたものを描かれた多くの作品の中で、「黄色くないひまわり」という絵が印象に残っています。
咲き終わったあとの枯れたひまわりが、もう太陽の光りではなく、うつむき、足元を見つめているひまわりの絵で、すこし、怖さも感じました。
思い出してみると、福音館の絵本にも作品がありました。「ビップとちょうちょう」。
のちに、「ビップ」、マルセル・マルソーに夢中になるとは、想っても見なかったことです。
堀さんの絵も好きですが、なんといってもその佇まいと、とてもきれいな日本語を話されるところが好きでした。
マドレーヌの由来とレシピ
2019.2.14お菓子
スタニスラス・レクチンスキーという人がいました。
彼は、ルイ15世の妃、マリー・レクチンスカ(1703~1768)の父でしたが、娘のマリーの、ルイ15世を囲む、ポンパドゥール夫人やデュ・バリー伯爵夫人との人間関係を心配し、ルイ15世のこころがマリーから離れないように、グルメだった父、スタニスラスが、おいしいものをマリーのもとへ届けさせていました。
ある日、父、スタニスラスの宮廷のお菓子職人が、仲間とのトラブルで辞めてしまい、困っていたところ、若い召使のマドレーヌが急遽作ったのが、このお菓子でした。
スタニスラスは、このお菓子を大変気に入り、マドレーヌと名付け、マリーにも届けさせました。
「ロカイユ」と呼ばれるロココ様式は、ルイ15世のフランスからヨーロッパに広まって行ったスタイルでした。
食卓の世界では、貝殻やぶどうの模様は、正式の飾りと考えられています。
貝殻は、ヴィーナスの誕生を思わせる縁起の良いものと捉えられていたのです。
マドレーヌは、「4同割」という4つの材料ーバター、砂糖、たまご、小麦粉ーが同量のお菓子です。
バター 100g グラニュー糖 100g たまご 2個(Mサイズの白身は30g、黄身は20g) 薄力粉 100g ベーキングパウダー 1.5g(小さじ1/4)
たまごをときほぐし、砂糖を加えます。(湯せんにかけて、ちゃんとお砂糖をとかします)
ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加えます。
溶かしバターは、3~4回に分けて加えていきます。
室温で一時間休ませます。
休ませないとベーキングパウダーの効力が弱く 真ん中がふくらむ形になりません。
170度のオーブンで、15分から20分焼きます。
出来上がってそのままにしておくと、乾燥してしまうので、荒熱がとれれば、ビニールの袋に入れておくとしっとりとします。