紅茶のレッスン、お湯の沸かし方

2019.11.21紅茶

先日、ちゃんとおいしい紅茶が飲みたいから教えてほしいと、リーフの紅茶を持参で友人が訪ねてきました。

「ムジカ」で、定番の「モーニング ブリーズ」と店員さんおすすめの「ラグジュアリー セイロン」を買ったそうです。
[モーニング ブリーズ」は350グラム、「ラグジュアリー セイロン」は250グラムと、たっぷりサイズなので、よく練習できそうです。

ちゃんと身につけてほしいので、ポイントを、ひとつづつクリアしていく方向で、レッスンを始めることにしました。

まず、ティーポットとティーカップの用意からしました。
両方とも、熱いお湯を注いで、温めています。
ティーポットには、[モーニング ブリーズ」のリーフをいれました。

ティーポットは、デンマークのボダムのシャンボールという名前のポットを使うことにしました。
1.3リットルのビッグサイズで、このポットの良いところは、リーフのジャンピングがよく見えるところです。

今日は、お湯の沸かし方からです。
おいしい紅茶を淹れるポイントのひとつは、お湯の沸騰間際の状態を知っていることです。
今回、わたしたちは、お鍋を使って確認することにしました。

水道からお鍋へ勢いよくお水を入れ、これは、お水に含まれる酸素を逃がさないための動作です。

ガスにかけ、お湯を沸かしていくと、お鍋の縁に細かい泡が立ち始めます。
そのまま沸騰に向かう様子を見ていると、お鍋の中央に大きな泡が立ち始め、お湯の沸く音も大きく変わり、全体が波打つ状態になったので、急いで火を止め、勢い良く、ポットの中のリーフを目がけて入れ、ふたをし、蒸らしにはいりました。

しばらくすると、リーフが水分を吸って、すこしづつ、降るように動き始め、ジャンピングがすすんでいきました。

「空を待つ」

2019.8.22よしなしごと

人を待つ間、手にした雑誌に、西加奈子の短編が載っていました。

女性の作家が、夜、散歩に出かけたとき、偶然、携帯電話を拾います。
翌日警察に届けようと、軽い気持ちで家に持って帰った携帯の待ち受けには、「空」が写っていました。

そこに突然、「あっちゃん」という名前で、メールが送信されてきました。
女性は罪悪感を感じながらも、もし、「あっちゃん」なる人が、落とし主を知っているなら返そうと、返信します。

「あっちゃん」から、メールが何通か、届くようになりました。
女性も、軽い日常のやりとりと思えるような言葉を選んで、送信していました。

数回やりとりがあったあと、その女性作家は、みじかく「あいたい」とメールを送ってしまいます。

女性が、拾った携帯を家に持ち帰るところから、わたしの中で、妙にドキドキがおさまらなくなってしまい、このみじかいお話にすっぽりと入ってしまいました。

調べてみると、西加奈子の、「炎上するきみ」という短編集の中の作品でした。

怖さは、何であったのか、、
「あっちゃん」はだれ、、

これは、詮索不要。
自分の中に、なにか感じるものが涌き上がったのなら、それをただ味わうだけでいいと思いました。

良い時間でした。

土井善晴 講演会

2019.8.22お料理

「料理の根本、水とだし汁を考える」というタイトルで、土井先生による講座がありました。

とても真摯にはじまった講座で、内容も料理、特に和食を通して、文化や歴史、わたしたちの生きかた、謂わばアイデンティティにも及ぶお話しだったと思いました。

アントニオ・ダマシオのこころのお話し、高村光太郎の触覚のこと、カントの「真善美」にも話題がひろがっていきました。

「もののあはれ」という概念からはじまり、日本の水のゆたかさがもたらした清潔感、手を洗う、物を洗うことで、物を清め新しくする、という物への意識のお話しも印象にのこりました。

縁高のお膳やお箸を横に用意することやお茶の世界でのお扇子の扱いなどは、「結界」を作っていること、神へのお供え物だから「いただきます」という所作があること、
「ハレ」と「ケ」、日常の「ケハレ」という概念も、あらためて腑に落ちたことでした。

かろみのある具沢山の実を、お水のちからで、お味噌にあずけてしまう、それはだしを引かなくても良いという安易な発想ではなく、菌のちからを信じたお料理でした。

今日のメインは、、レシピは、、と負担に感じる日々から、シンプルに自分のからだは自分でやしなっていく、そして土井先生がおっしゃっている「和食はきよらかなもの」という観点に立てば、ワンランク上がった自分になれそうです。