土井善晴 講演会

2019.8.22お料理

「料理の根本、水とだし汁を考える」というタイトルで、土井先生による講座がありました。

とても真摯にはじまった講座で、内容も料理、特に和食を通して、文化や歴史、わたしたちの生きかた、謂わばアイデンティティにも及ぶお話しだったと思いました。

アントニオ・ダマシオのこころのお話し、高村光太郎の触覚のこと、カントの「真善美」にも話題がひろがっていきました。

「もののあはれ」という概念からはじまり、日本の水のゆたかさがもたらした清潔感、手を洗う、物を洗うことで、物を清め新しくする、という物への意識のお話しも印象にのこりました。

縁高のお膳やお箸を横に用意することやお茶の世界でのお扇子の扱いなどは、「結界」を作っていること、神へのお供え物だから「いただきます」という所作があること、
「ハレ」と「ケ」、日常の「ケハレ」という概念も、あらためて腑に落ちたことでした。

かろみのある具沢山の実を、お水のちからで、お味噌にあずけてしまう、それはだしを引かなくても良いという安易な発想ではなく、菌のちからを信じたお料理でした。

今日のメインは、、レシピは、、と負担に感じる日々から、シンプルに自分のからだは自分でやしなっていく、そして土井先生がおっしゃっている「和食はきよらかなもの」という観点に立てば、ワンランク上がった自分になれそうです。

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