務川慧悟さんのピアノ

2022.10.15音楽

ショパンのピアノソナタ第2番op.35、第3楽章が有名な葬送行進曲になっているので、葬送ソナタとも呼ばれていますが、このソナタを務川さんのピアノで聞いたとき、手が止まってしまいました。

27、8才の頃の、ショパンの陰鬱で熱に浮かされたような激しい情熱を感じ、とても
感動し、くりかえし、聞くようになりました。

ラモーのガボットと6つのドゥーブルも、ほんとうに素敵で、ラモーの気品はもちろん
なによりピアノの音のうつくしさと繊細な演奏に、こころが静まりたいとき 、そして
夜の静寂のなかで聞くと、とても満たされた至福の空間に、一瞬で変わってしまいます。

ラフマニノフのコレルリの主題による変奏曲では、テーマを聞くと、カスタネットを
手にした女性が立ちあらわれ、おもむろにはじまったメロディーに、ぽつりポツリと
カスタネットの音を重ねていき、ゆっくり動いていく様子が、目に浮かびます。

フォリアは、ほんとうにうつくしいダンスで、ダンス自体もテーマから、カスタネットの音とともに、情熱的に変化していくので、務川さんの純粋で透き通ったピアノの音で
フォリアが聴きたくなりました。

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