2018.6.4よしなしごと

六月に入ると、蛍が楽しみになります。
近くの川で見る蛍は、例年より、一週間ぐらい早いようです。

蛍は、月明かりのない、19時半頃から21時ぐらいまで見ることができます。
成虫になって、飛ぶのは一週間ぐらいです。

水がきれいで、暗く静かなところ、そして、草が水面にかぶさっているようなところがベストで、光るのは、蛍の求愛行動のためです。
蛍を見に出かけた一日目は、一匹しか見つからず、がっかりしたのですが、昨日は、蛍が飛ぶ様子まで見ることができ、ラッキーでした。

その蛍の飛んでいる様子を見ていて、源氏が蛍を袋から出して、玉鬘の部屋に放つくだりを思い出しました。
それは「蛍の巻」のお話しで、玉鬘に思いを寄せる兵部卿宮に気づかれないように、身を潜めていた源氏が、蛍のひかりで、玉鬘の姿をうっすらと見せる、とても美しいシーンです。

また、蛍は、夏の季語でもあります。
飯田蛇笏(だこつ)の句に、「てうつしに ひかりつめたき ほたるかな」という、やさしい俳句があります。

松尾芭蕉は、草の葉に止まっていた蛍が、すべり落ちるような感じに見えたけれど、ふわっと飛び立ってしまったという情景を詠みました。
「草の葉を 落つるより飛ぶ 蛍かな」

今夜の蛍は、どのような姿を見せてくれるのでしょうか。
暗くなるのを待ちます。

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