「空を待つ」

2019.8.22よしなしごと

人を待つ間、手にした雑誌に、西加奈子の短編が載っていました。

女性の作家が、夜、散歩に出かけたとき、偶然、携帯電話を拾います。
翌日警察に届けようと、軽い気持ちで家に持って帰った携帯の待ち受けには、「空」が写っていました。

そこに突然、「あっちゃん」という名前で、メールが送信されてきました。
女性は罪悪感を感じながらも、もし、「あっちゃん」なる人が、落とし主を知っているなら返そうと、返信します。

「あっちゃん」から、メールが何通か、届くようになりました。
女性も、軽い日常のやりとりと思えるような言葉を選んで、送信していました。

数回やりとりがあったあと、その女性作家は、みじかく「あいたい」とメールを送ってしまいます。

女性が、拾った携帯を家に持ち帰るところから、わたしの中で、妙にドキドキがおさまらなくなってしまい、このみじかいお話にすっぽりと入ってしまいました。

調べてみると、西加奈子の、「炎上するきみ」という短編集の中の作品でした。

怖さは、何であったのか、、
「あっちゃん」はだれ、、

これは、詮索不要。
自分の中に、なにか感じるものが涌き上がったのなら、それをただ味わうだけでいいと思いました。

良い時間でした。

土井善晴 講演会

2019.8.22お料理

「料理の根本、水とだし汁を考える」というタイトルで、土井先生による講座がありました。

とても真摯にはじまった講座で、内容も料理、特に和食を通して、文化や歴史、わたしたちの生きかた、謂わばアイデンティティにも及ぶお話しだったと思いました。

アントニオ・ダマシオのこころのお話し、高村光太郎の触覚のこと、カントの「真善美」にも話題がひろがっていきました。

「もののあはれ」という概念からはじまり、日本の水のゆたかさがもたらした清潔感、手を洗う、物を洗うことで、物を清め新しくする、という物への意識のお話しも印象にのこりました。

縁高のお膳やお箸を横に用意することやお茶の世界でのお扇子の扱いなどは、「結界」を作っていること、神へのお供え物だから「いただきます」という所作があること、
「ハレ」と「ケ」、日常の「ケハレ」という概念も、あらためて腑に落ちたことでした。

かろみのある具沢山の実を、お水のちからで、お味噌にあずけてしまう、それはだしを引かなくても良いという安易な発想ではなく、菌のちからを信じたお料理でした。

今日のメインは、、レシピは、、と負担に感じる日々から、シンプルに自分のからだは自分でやしなっていく、そして土井先生がおっしゃっている「和食はきよらかなもの」という観点に立てば、ワンランク上がった自分になれそうです。

マフィンとアールグレイ

2019.6.17お菓子

おやつにマフィンを作りました。
バターも甘みも少なくしたレシピです。

無塩バター       30グラム
グラニュー糖      30グラム
たまご         1個
薄力粉         120グラム
ベーキングパウダー   小さじ1
ミルク         大さじ2
バナナ1本か、レーズン、クルミ、アーモンドなど 30グラム

無塩バターとたまごは、室温におきます。
薄力粉とベーキングパウダーは、合わせてふるっておきます。
レーズンを使うときは、お湯に漬けて、汚れをとります。

ボウルにやわらかくなったバターを入れ、泡だて器で空気を含ませます。
砂糖は、2回に分けて、加え、混ぜ合わせていきます。
ほぐしたたまごは、少しずつ加えながら、よく混ぜ合わせていきます。
ふるった粉は、こねないように、混ぜ合わせます。
バナナやレーズンなど加え、ミルクを加え、やわらかさを整えます。

型に入れ、180度のオーブンで、20分、焼きます。

シンプルに焼くと、甘みが少なく感じるかもわかりませんが、バナナやレーズンを加えて、ちょうど良い甘さにしました。

クリッパー(Clipper) のアールグレイと合わせてみると、紅茶のほんのりとした香りとシンプルなマフィンが、おいしくなりました。
アールグレイは、ブラックがおすすめです。