90才クラシック女子、室井摩耶子と伊藤京子

2017.9.22音楽

先日、ラジオのNHK-FMを聞いていたら、「90才、クラッシック女子ー昭和・平成わたしの音楽道」というタイトルの番組がありました。

ゲストは、96才のピアニストの室井摩耶子さんと90才のソプラノ歌手の伊藤京子さんでした。聞き手は、渡邊あゆみさんと千住真理子さん。お二人ともとってもお元気で、話すテンポも良く、表情がわからないラジオをすこしもどかしく残念に思いました。

室井さんは、90才を超えてもお肉をよく召し上がる、肉食女子でも有名な方です。また、ずーっと平屋暮らしだったので、死ぬまでに一度は二階で寝たいという理由から、90才の時に新居をたて引越しまでされた、大変アクティブな方でもあります。

最近は、「ハイドンは、面白い」というタイトルで、室井さんはトークコンサートをされています。そのハイドンのピアノソナタで番組は始まり、トークでは、昔ヴィルヘルム・ケンプに会った事、そしてケンプから、ベートーベンのピアノソナタだけでリサイタルをするように薦められたエピソードなど話され、月光のソナタ第1楽章を弾き始められました。

それを聞いていると、私はケンプが来日し、リサイタルで月光のソナタを弾いたときのことを思い出しました。第1楽章がすばらしかったので、思わず聴衆が遠慮がちにした拍手に、ケンプは客席の方に向かってそっと会釈をし、第2楽章に進んだのでした。

また、室井さんは、千住さんから共演を求められたモーツアルトのヴァイオリンソナタK302の曲を知らなかったわと楽しげに言いながらも、彼女のヴァイオリンと一緒に、第2楽章の一部を演奏されました。最後は千住さんがバッハの無伴奏パルティータ第3番からガボットを弾かれました。

真摯に音楽を勉強され、演奏されてきた方の音楽は奥行きや哲学があり、静かにこころに響いてきた時間でした。

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