あじさいと朔太郎

2019.6.7よしなしごと

外出すると、あじさいのお花を、あちこちで目にすることが多くなりました。

いまはとても種類が多くなって、名前自体も素敵に名付けられ、「墨田の花火」や白い「アナベル」、「コンペイトウブルー」など、どんどん増えていっていますね。

紫陽花と言えば、萩原朔太郎の詩を思い出します。

こころ

こころをば なににたとへん
こころは あぢさゐの花
ももいろに 咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりは せんなくて

こころはまた 夕闇の園生(そのふ)のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころは ひとつによりて悲しめども
かなしめども あるかひなしや
ああ このこころをば なににたとへん

こころは 二人の旅びと
されど 道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころは いつもかくさびしきなり

六甲山で見つかった「シチダンカ」というアジサイの花は、追いかけるように、六月の下旬から七月にかけて、咲いていきます。

Next

Prev