藤原行成の書と清少納言

2022.10.31よしなしごと

かな文字が好きなので、小筆で和歌の臨書をしています。

気がつくと、伝藤原行成の書をよく書いています。

彼は、書の三蹟といわれている、小野道風、藤原佐理(ふじわらのすけまさ)と並ぶ
三蹟のひとりです。

ちなみに、よくいわれる書の三筆は、空海、嵯峨天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)です。

行成は、小野道風の書が好きだったらしく、道風のうつくしい行書の影響か、流れが
とてもやわらかく優美で気品のある印象をもちました。
なぞってみると、丁寧で、おちついた人柄のようにも思います。

行成は、あの一条天皇(皇后は定子で、女房のひとりには清少納言)に仕えていたので、清少納言とも仲よく話しこむことがあったそうです。
遅くなってしまったある日、清少納言に、鶏が鳴くのに催促され、戻ってきてしまったと手紙を送りました。
清少納言から、まだ夜更けなのに、鳴いたのは函谷関の鶏かと返事があります。

これは、中国の戦国時代、鶏の鳴きまねをさせて、函谷関の関を開けさせ、難を逃れたという故事からきています。

清少納言のこういうウイット好きなところが、批判されたりもしますが、ちゃんと表現できるところが、話してても、
たのしい魅力ある女性だと、いまのわたしたちは、微笑ましく思います。

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