食べることと「旬」

2022.6.7お料理

お料理の辰巳芳子さんが、エッセイの中で、「旬」について、書かれている文章がありました。

「旬」とは、十日ごとに、季節のうつろいを敏感に感じ取り、その変化に合わせるよう、細やかに配慮して食べるもの、、

二十四節気でいうと、今日から「芒種(ぼうしゅ)」
「芒」というのは、稲の穂先の突起している部分のことで、稲、麦の種まきをはじめる頃です。

また、七十二侯では、秋に産みつけられたたまごから、カマキリが生まれる時期で、「蟷螂生(かまきりしょうず)」といわれるのが、今日です。
農作物の邪魔はせず、害虫をつかまえる、というかしこい虫です。

意外に思いますが、トマトが旬の野菜になります。
高温多湿に向かない野菜なので、真夏がベストとはいえないのです。

曇りや雨の日には、お日さまを食べましょう!とたのしくエネルギーをもらうのは、
おすすめです。

また「紫陽花」という名の涼しげな生菓子を、氷をひとつ抹茶茶碗に浮かべ、いただくのは至福の時間といえます。

からだの免疫力を意識したサラダ

2022.1.7お料理

定番のレタスですが、血流を良くしてくれます。
丸いレタスよりも、立っているものーサニーレタスやロメインが、よく働いてくれます。

同じ働きをするものに、セロリとクレソンがあります。

免疫力には、血液の凝固力が、関わってきます。
人参がポイントになります。
そのままスライスしたり、千切りにし、塩もみしてしんなりさせてもいいのですが、
辰巳芳子さんの人参の常備菜を作っておくと、びっくりするぐらい、お箸が進みます。

人参の酒煎り
人参 2本     酒 大さじ2     白梅酢か赤梅酢

人参は皮をむき、斜めに薄く輪切りにします
この時、包丁を35度に入れ、輪切りにすると、歯ざわりがよくなります
長さがそろったところで、千切りにしていきます

平鍋に人参を入れ、酒大さじ2を振り入れたところで、火をつけて炒りつけ、しんなりし始めたら、酢を振り、
歯当たりを残して、火を止めます。

サラダだけではなく、いろんなお料理に使えるので、おすすめです!

ドレッシングには、アマニオイルが簡単です。
脳や粘膜、赤血球の細胞膜をつくる要素がありながら、体内では作れません。
オメガ3の特徴である、疲労回復や記憶力アップの働きもあるものの、加熱料理には向かないので、サラダやおひたし
本来はオイルを使うところを省き、仕上げにアマニを使うこともできます。

アマニと一緒に、体内をきれいにしてくれる、ライムやレモンを風味づけにすると、おいしくなります。

からだの細胞は、朝の9時ごろから活動をしはじめ、午後3時を過ぎるとしずかになっていきます。
夜ではなく、お昼間にいただくのが良いです。

土井善晴 講演会

2019.8.22お料理

「料理の根本、水とだし汁を考える」というタイトルで、土井先生による講座がありました。

とても真摯にはじまった講座で、内容も料理、特に和食を通して、文化や歴史、わたしたちの生きかた、謂わばアイデンティティにも及ぶお話しだったと思いました。

アントニオ・ダマシオのこころのお話し、高村光太郎の触覚のこと、カントの「真善美」にも話題がひろがっていきました。

「もののあはれ」という概念からはじまり、日本の水のゆたかさがもたらした清潔感、手を洗う、物を洗うことで、物を清め新しくする、という物への意識のお話しも印象にのこりました。

縁高のお膳やお箸を横に用意することやお茶の世界でのお扇子の扱いなどは、「結界」を作っていること、神へのお供え物だから「いただきます」という所作があること、
「ハレ」と「ケ」、日常の「ケハレ」という概念も、あらためて腑に落ちたことでした。

かろみのある具沢山の実を、お水のちからで、お味噌にあずけてしまう、それはだしを引かなくても良いという安易な発想ではなく、菌のちからを信じたお料理でした。

今日のメインは、、レシピは、、と負担に感じる日々から、シンプルに自分のからだは自分でやしなっていく、そして土井先生がおっしゃっている「和食はきよらかなもの」という観点に立てば、ワンランク上がった自分になれそうです。