アフタヌーンティーのテーブル

2017.9.3紅茶

アフタヌーンティーといえば、三段のティースタンドを思い浮かべますが、それは客間の低く狭いテーブルを、効率良く使うためのものでした。食堂の広いテーブルでは、ティースタンドは使わずに、大皿を使います。

夕食時に食堂のテーブルで、紅茶と肉などの軽い食事を、ハイティー(high tea)と呼びます。また、低いティーテーブルを使ったアフタヌーンティーのことは、ローティー(low tea )と呼んでいました。

ティーフードはサンドイッチ、スコーン、ケーキが基本です。サンドイッチは伝統的なサーモンとチーズ、チキン、そしてきゅうりのサンドイッチでした。

なぜきゅうりが、フォーマルなアフタヌーンティーのフードの中に、入っているのでしょうか?

それは産業革命の頃に、遡ります。1760年代のイギリスに始まった産業革命は、1830年以降、ヨーロッパ各地に広まっていきました。きゅうりの栽培は、当時困難で、温室で栽培していました。従って、新鮮なきゅうりのサンドイッチを提供することは、富の象徴、ステータスでもあったのです。

伝統的に食べる順序は、サンドイッチ、スコーン、ケーキとなります。

テーブルセッティングは、自分の座っているテーブルの端から5~6cmのところに位置皿を置き、その左側にフォーク、右側にナイフを置きます。カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンのこと)は、位置皿より上のラインに置きます。以前、テレビでイギリス人のベニシア・スタンリーさんが、「母から、ナイフとフォークはお皿より下のラインには置かないことと教わった」とおっしゃっていたのを、興味深く聞きました。ティーカップは位置皿の右手上の方向に置きます。

丸、あるいは楕円の大皿に盛り付けたサンドイッチをホステスの右側の第一のゲストから順繰りに廻していきます。二巡目は、ホステスの左側、第二のゲストから順番に取っていただき、スコーン、ケーキも同じように廻します。

ホステスは、ゲストの紅茶が空にならないように継ぎ足すこと、そして会話のリードをすることが役目となります。

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