紅茶のジャンピングと水
2017.7.13紅茶
おいしい紅茶を淹れるためには、普通の水道水を使います。
水は硬水、軟水とふたつに分けられ、水に含まれるカルシウム、マグネシウムの量が多いものが硬水、少ないものが軟水になります。
硬度100までのものを軟水、100~300は中硬水、300以上が硬水となります。
紅茶は軟水が合いますし、日本の水は軟水です。およそ硬度は20~100に当たります。
参考にミネラルウォーターの硬度を調べてみました。
コントレックスは硬度1468、ヴィッテル315、エビアンは304、ボルヴィック60、六甲のおいしい水32、サントリー天然水30、い・ろ・は・す27.7等でした。
紅茶を作る時に、ティーポットに入れた茶葉に勢い良く湯を注ぐと、茶葉に細かい酸素の泡が付き、その浮力で茶葉がティーポットの上の方に上がります。そして今度はその茶葉が水分を吸って底の方に沈み、湯の対流に乗って、この上下運動を繰り返していきます。これをジャンピングと言い、このジャンピングが完璧に起こっている時に、紅茶の味、香りそして紅茶の色も引き出され、おいしい紅茶になるのです。ジャンピングを起こす条件のひとつとして、酸素がたくさん含まれている水で紅茶を淹れるというのが、最初のステップになります。
水道水は勢い良く、やかんに注ぐこと、汲み置きしていた水や沸かしなおした水は使いません。
新しいペットボトルの水を使う時は、ふたを開け、少し中の水を出し、またふたをし、よく振り、酸素が水に混ざるようにしてから使います。
紅茶の成分のタンニンは、水に含まれるカルシウム、マグネシウムと結びつくと、紅茶の色や味、香りに影響がでてきます。
硬水で淹れると、紅茶の色は透き通った色ではなく、黒っぽくなり、味も香りもなくなってしまいます。
軟水を使うと、紅茶の色は少し淡くなりますが、よく抽出して、味も香りも良くなります。ただ渋みが強く出ないように、茶葉はすこし控えるのがポイントになります。
硬水の特徴を利用して、紅茶を淹れることもできます。硬度の高いエビアンでダージリンやウバという渋みのある茶葉を入れると強い渋みがおさえられ、紅茶の色は濃くなるので、ミルクと合う紅茶になります。
ミルクが先
2017.7.10紅茶
1848年、ファミリーエコノミストという雑誌に、紅茶の心得が載りました。
その後、ジョージ・オーウェルが、そしてトワイニング社、ピカデリー・オブ・ジャクソン社等が、おいしい紅茶の入れ方を発表してきました。
水、ティーポット、湯の注ぎ方、茶葉など、今に伝わっていることが多くありますが、ミルクの扱いに移り変わりがあります。
ファミリーエコノミストでは、カップの中にミルクを先に淹れ、そして紅茶を注ぐという、ミルクインファースト スタイルでした。
ジョージ・オーウェルは紅茶をカップに先に淹れ、後からミルクを注ぐミルクインアフターを主張しました。
トワイニング社は室温のミルクを先に淹れ、そして紅茶を注ぐこととし、ジャクソン社は、ミルクはコクのあるインドの茶葉やセイロン茶の時に使うとあり、後先という明言はありません。
そして2003年、英王立化学協会が完璧な紅茶の淹れ方として、10ヶ条を発表しました。その中で、ミルクについて、スティープリー博士が検証し、決着が着きました。
ミルクが先という結論です。その理由は、ミルクは75℃になると牛乳たんぱくの熱変性が起こるということに起因しています。カップの熱い紅茶のあとにミルクを少しずつ淹れると、紅茶の高温で熱変性が起きてしまう。
反対に冷たいミルクに熱い紅茶をゆっくり淹れていくと、ミルクの温度が徐々に上がり、たんぱく質の変性は起こりにくくなるのです。
ここでのミルクは低温殺菌の牛乳のことで、高温殺菌の牛乳では、ミルクが先でも後でも違いはありません。
日本語でイングリッシュミルクティー、もしくはロイヤルミルクティーと呼んでいる、ティーウィズミルクを飲む前にカップに添えられたティースプーンをティーカップの中にしばらく入れておくと、熱の移動で、飲み頃の60~65℃になり、おいしくいただけます。
リーフとスプーン
2017.7.6紅茶
ティースプーンに茶葉を1杯、というのはコーヒースプーンよりひとまわり大きいティースプーンのことです。
大きさがまちまちなので、分量も変わってきます。
計量スプーンの重さを知っていると、目安になります。
小さじ5cc、では茶葉は1.5グラム
大さじ15cc、では茶葉は5グラム、
リーフの大きさで、重さが変ってきます。
茶葉の大きさは、オレンジペコで10~15mm
ブロークンオレンジペコでは2~3mm
ファニングスは1mmと細かくなっていきます。
ティーポットにはOPかBOPを使います。
ティースプーンに軽く2杯、3グラムのリーフで350ccのブラックティーが出来ます。
ティーメジャースプーンでは、2グラム入ります。
茶葉の one for me、one for the pot という分量はイギリスの硬水を使った紅茶の場合で、日本の軟水で同じように入れると、渋みが出て、濃く感じられます。ポットの分を省き、人数分のリーフを用意します。