富田一樹のパイプオルガン

2018.2.3音楽

久しぶりにパイプオルガンの演奏を聴きました。以前、フランスの女性オルガニストのマリー・クレール・アランがよく日本に来て演奏をしており、そのアランのオルガンを聴いたのがきっかけで、いろんなオルガニストの演奏を聞くようになりました。教会で聴いたり、ホールで聴いたり、、と今回はホールでの演奏でした。

オルガニストは富田一樹さんで、一昨年のバッハ国際コンクールで第一位と聴衆賞を取られた方です。テレビ番組の「情熱大陸」にも出演され、その時のオルガンの音が魅力的だったので、生の演奏を聴きたいと思っていました。

昨年はルターの宗教改革500周年で、バッハはルター派のプロテスタントの作曲家です。
それにちなんだのか、当日はオールバッハのオルガン曲で、耳慣れた曲も多くありました。

「G線上のアリア」「目覚めよと呼ぶ声がする」「幻想曲とフーガハ短調BWV937」など、特に「幻想曲とフーガ」の所謂ためいきのモティーフと言われる響きの美しさに聴き入ってしまいました。昔は風琴と呼ばれていたオルガンですが、天から降り注いでくるような音の響きに荘厳さを感じました。

妻であるアンナ・マグダレーナ・バッハが残した日記では、バッハが誠実でまじめであったことがわかります。バッハは数日かけて作曲をし、それを弟子が写譜し、出来上がった楽譜で奏者が練習をし、そして日曜日に教会で演奏をするという勤勉な日々を過ごしていました。誠実にそして生涯向学心を忘れず音楽と生きたバッハは失明のうちに亡くなってしまいます。

音楽という大きな木があるなるば、バッハはその根元に存在する作曲家だと思います。
これから富田さんが研究されるバッハの音楽の哲学や宇宙観をその演奏に聴いていきたいと思いました。

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