デメルと皇妃エリザベート
2018.2.24紅茶
今年のバレンタインは、イタリアのVenchi(ヴェンキ)チョコレートとウィーンのDemel(デメル)のチョコレートケーキを楽しみました。
ブラックティーとチョコレートを合わせると、紅茶の渋みが残り、また、チョコレートのカカオの苦味も残ってしまいます。
ミルクを加え、イングリッシュミルクティーと合わせると、チョコレートの苦味が押さえられ、とてもおいしいペアリングとなります。
デメルというと皇妃エリザベート、愛称、シシーを思い出します。星の髪飾りを付けたシシーの肖像画が有名ですね。
若くしてフランツ・ヨーゼフと結婚しましたが、叔母であり姑でもある大公妃ゾフィーと合わず、心身症となり、転地療法として、旅が彼女の人生を多く取っていきました。
エリザベートの展覧会を見たことがありますが、印象に残っているのは、ハエをモティーフに自らがデザインしたというアクセサリーやスタイルをキープするためのエクササイズをしていた結果、ウエストは50cmだったという衣装、歯並びを気にして、口元を隠すために手放さなかったという扇等々。
美を保つために、極端なダイエットを自分に課していたせいか、その反動で甘いものを強く求めていきました。カフェに立ち寄るのが好きだったというエリザベートが好んだのが、シャーベットでした。デメルは最初、アイスクリームで脚光を浴び、1874年にハプスブルク家の御用達となります。
エリザベートはスミレのお花が大好きで、花の香りだけでなく、すみれの砂糖漬けやすみれのリキュールも好んだと伝わっています。
デメルでは、スミレのシャーベットとザッハトルテがエリザベートのゆかりのものとして有名です。
スミレのお花がイメージとして残り、デメルのチョコレートケーキには、フランスのダマン・フレールのジャルダンブルーの紅茶を合わせてみました。この紅茶は、矢車菊やひまわりの花びら、いちご、ルバーブがミックスされており、少し甘酸っぱさのある香りが、濃厚なチョコレートケーキの風味を、華やかにしてくれました。
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