室井摩耶子 音の意味

2024.11.6音楽

月刊ショパンのなかで、室井摩耶子さんのエッセイは、毎回たのしみで、かかさず
読んでいます。

ここ数ヶ月は、お休みが続いていましたが、先月号で、骨折をされて、入院をされて
いたことがわかりました。

そのあいだ、弾くことはもちろん、音楽を聞く気持ちにもなれず、日々を過ごされて
いたそうですが、
自宅にもどられて、たまたま、つけたテレビから、流れてきたショパンの革命を
聞いた、そのときのおはなしです。

とても、達者に弾いたであろうことは、文章からわかりましたが、感じるものが
なかった演奏のその理由を考えられ、そこには、ショパンのことばがなかったと。

いままでも、折に触れ、音楽は音でできた、詩であり、文学であることを、ずっと
伝えられてきましたが、その演奏には、語るものがない音楽であったと。

その言葉に、いままでにない、先生の強い意志を感じ、あらためて、単に美しい響き
だけではない、作曲家に寄り添う哲学が大切なことを思いました。

103才の現役ピアニスト、また、生で演奏を、特に、ベートーヴェンを聴きたいと
願っています。

音、いないねぇ、、

2024.10.7音楽

三才になる子が、電源が入っていないキーボードに触れたとき、ひとりごとのように、つぶやいたことばでした。

その子が、あるとき、ピアノのペダルに気がつき、「ピアノ、弾くー」と言いました。

おもしろがってくれたらいいな、と思い、グー、チョキ、パーのあそびを考えて
みました。

パーで、鍵盤のあちこちをたたいたり、触れたりしてほしい、、
黒い大きな箱に、物おじせず、どんどん、好きなように、触っていってほしいと思ったので、、

おやゆびのポジションには触れず、好きなようにグーに握って、ただただ、鍵盤を
たたいたり、押したり、そして、飽きたら、今度はライオンさんの足になって、
のっしのっしと鍵盤の上を歩いてみよう、、

じゃんけんぽんして、チョキの指が置ける鍵盤を、一緒にさがしてみよう!

想像していくと、ピアノを巻き込んだ時間が、とてもたのしみになってきました。

詩的なことばをくれた三才さんへの、わたしのお返しです。

ピアノのおけいこをはじめる前にタリアフェロ

2024.9.15音楽

マグダ・タリアフェロという、ブラジル出身のフランスで主に活躍したピアニストがいます。
アルフレッド・コルトーに師事をした、フランスの音楽家です。

田村安佐子さんが書いた、「ピアニストへの基礎:ピアノの詩人になるために」という、タリアフェロが伝える音楽の基礎が書かれた本があります。

小さい子どもが始めるときにも、大人になって、ほんとうに基礎と向き合って始めたいときにも、とても必要で、役立つ本です。

ピアノの椅子への座り方、背中、重心はもちろん、"馬に乗るように"という表現が、わたし自身、30年以上たった今でも、深く印象に残っています。
良い姿勢で馬に乗り、楽譜も頭にはいり、音楽を引っ張っていくようなイメージがあります。

あと、からだをほぐすためにの体操が紹介されていたり、実際に鍵盤に対して、指、手首、タッチのことが書かれており、最後は、それが、バッハの曲では、どのような動きになるか、説明されています。

まずは、からだの使い方、耳を育てること、子ども用、初心者向けの音楽はあるはずもなく、良い音楽を聞いていくことで、音楽の文法のようなものが、蓄積されていくでしょう。

好きな音楽、素晴らしい音楽がなみだするぐらいに感動をするのに、そこで止まらず、自分で弾いてみたいという衝動があるとき、どんなふうに弾きたいのか、そして、それが難しいときは、その原因は、細かくできます。
そして、ランゲンハーンのメトードが、その細かさに対処してくれているので、具体的に、練習が動いていってくれます。