室井摩耶子 音の意味
2024.11.6音楽
月刊ショパンのなかで、室井摩耶子さんのエッセイは、毎回たのしみで、かかさず
読んでいます。
ここ数ヶ月は、お休みが続いていましたが、先月号で、骨折をされて、入院をされて
いたことがわかりました。
そのあいだ、弾くことはもちろん、音楽を聞く気持ちにもなれず、日々を過ごされて
いたそうですが、
自宅にもどられて、たまたま、つけたテレビから、流れてきたショパンの革命を
聞いた、そのときのおはなしです。
とても、達者に弾いたであろうことは、文章からわかりましたが、感じるものが
なかった演奏のその理由を考えられ、そこには、ショパンのことばがなかったと。
いままでも、折に触れ、音楽は音でできた、詩であり、文学であることを、ずっと
伝えられてきましたが、その演奏には、語るものがない音楽であったと。
その言葉に、いままでにない、先生の強い意志を感じ、あらためて、単に美しい響き
だけではない、作曲家に寄り添う哲学が大切なことを思いました。
103才の現役ピアニスト、また、生で演奏を、特に、ベートーヴェンを聴きたいと
願っています。