雪と小林一茶
2025.2.10よしなしごと
このところ毎日、お昼ごろになると、雪が風に舞っています。
はっきりとわかる雪ではなく、ようく見ると、ちらちらと小さな雪が、空中に舞ってる感じです。
それを見ると、しんしんとした寒さを思いながらも、きれいな雪!という印象があるだけ。
小林一茶は、信濃から江戸に出て、芭蕉を敬しながらも、宗匠として門戸を張るという夢を持ち、若い日々を過ごしますが、その夢は叶うことなく、五十のときに、故郷の信濃に帰ってしまいます。
そこから一茶は、花鳥風月ー月がのぼれば、雪が降れば、吟行だの、句会だのという、俳句の枠組みから抜け、一茶独自の句をたくさん作っていきました。
これが、本来の、王道の俳句だと言わんばかりに。
名月や 江戸のやつらが何知って
雪行け行け 都のたはけ待(まち)お(を)らん
ほちやほちやと雪にくるまる在所哉
むまさうな雪がふうはりふはり哉
雪とけて 村一ぱいの子ども哉
信濃は、11月には雪が降りはじめ、半年は雪の下という。
10月に長野に行ったことがありますが、小さなホテルでは、もうすでに暖炉に火がはいり、あたためてくれていました。
信濃の百姓が、身近にある、やさしいことばを使った俳句でも、俳人の芯がある俳句なら、風雅という薫りを表現できるということを示したのかもわかりません。
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