田辺聖子の「古事記」

2025.1.29よしなしごと

田辺聖子の古事記を、一気に、読み終えたところです。

神々が、生き生きと、存在感をもって、動いています。
わたしたちは、こんなに、生命力あふれる神話を持っていたんだと、あらためて
思いました。

柳田國男が、「日本の神さまは、循環する」ということを、書いてあったのをおもい
だしました。
神は山から下りて、人々のくらしを見、収穫をよろこび、ふたたび山にもどり、
エネルギーを蓄えると。

そういえば、以前、天の橋立近くにある、元伊勢といわれる、格式の高い、籠神社
(このじんじゃ)に、行ったことがあります。
奥宮の真名井神社とともに、長い歴史とともに、ご由緒があります。

ここの水琴窟は、いままでに、聞いたことがないような、すずやかで、大変、
うつくしい音色で、立ち去りがたい響きでした。

境内を参拝しているときに、たまたま、宮司さんとお目にかかる機会があり、
いろいろ、神社のおはなしを伺うことができました。
宮司さんは、始祖である、彦火明命(ひこほあかりのみこと)に、続く方です。

おはなしのなかで、脈絡もなく、「これからは、神さまがうごかれるので、よくなっていきますよ」と、わたしにいわれたのです。
具体的に、もっと深く伺いたいともおもったのですが、さわらず、おっしゃって
くださったことば、そのままを、大切に受けとり、いまに至っています。

お聖さんの古事記は、原典にとりこまれることもなく、作家の腕力ともいえる筆の
ちからで、読んでいる者を引き込んでしまう魅力がありました。

そして、神々の名前も元の漢字で表記されてるので、きもちが不安定にならず、目で
確かめ、ふりがなの音を耳でたのしめたのも、よかったとおもっています。

いつも手元にあってほしい、そして、それを手渡していくべき書だと、おもって
います。

「もの!」って

2025.1.27よしなしごと

YouTubeに、「八十代元気ばあちゃん」というタイトルで、八十代の方が、いままでされていた趣味のものを、断捨離するという動画があがっていました。

茶道、華道、日本舞踊に社交ダンスとたのしまれていた道具や着物がきれいに並べ
られ、思い出をおはなしされていました。

ふと、コメント欄の「これはまだ、メルカリには出されてないですよね」という文に、
目が止まってしまいました。

ひとが、もう使うことはない、いらないというものに、見た側が欲しいという気持ちを持つこと、それは、わたしも含め、どうして、ひとは、ものに引っ張られてしまうの
でしょう。

引っ越しのお手伝いのときにも、ムリにいくつか持たされ、こちらが処分する羽目に
なってしまったこともあります。

アンティークは、どうでしょう。
紅茶の歴史を勉強しているときに、イギリスのカトラリーや、比較的新しい部類に
はいるであろうスージー・クーパーのティーカップをよく見ていましたが、最終的に、わたしには、クリストフルやモダンなデザインのほうに、興味がいきました。

偶然に、東大寺の弘法市に出会ったことがありますが、駅から東大寺までの沿道の
小さなお店には、古い着物を並べているお店が多く、
境内の中には、もっとたくさんの古い着物、やきもの、むかしの生活道具や装飾品
などで、あふれており、大勢のひとで、にぎわっていました。

好きなものだけ、気に入ったものだけを、身近に置いて愛でる!と、何度、片付けの
度に、思ったことでしょう。

アメリカのキャリアの長い女優さんの、「なにもいらないわ、プレゼントなら、お花とワインを」というコメントは、なんてカッコいいことばでしょう。

最近の大相撲

2025.1.23よしなしごと

数年前に、はじめて、大相撲を見に行ったことがあります。

行くまでに、できるだけお相撲さんのことを勉強し、お弁当、おやつを持ち込み、
はじめて取れた桟敷席をたのしみました。

お相撲さんの行き交うところには、びんづけの匂いがあり、それだけでも、気持ちが
湧き上がったものです。

入り口でチケットを扱う人も、お土産を扱う人も、元力士、親方で、とっても
テンションがあがりました。
錣山親方に、握手をしてもらったことーとても感じ良く、いい思い出になっています。
こちらの目を見ながら、わたしの手を包み込むような握手で、いまもしっかりと覚えています。

力士の入り待ちーお相撲さんを、入り口で、拍手しながら迎えるのも、うれしくて、
ズーッと負けていた、碧山がやっと勝ったその日、それは、目があった碧山にたくさん拍手して、声援を送ったわたしのおかげだと、ミーハーになって、よろこんだもの
です。

実際に見にいくと、駅に着いたところから、ワクワクがはじまって、とってもたのしいものです。

それ以降、土俵をテレビで見ていますが、テレビならではのたのしみが、土俵近くで
応援に来ている有名人です。
今場所は、デビ夫人や勝俣州和、上地雄介やピンクの林家ぺー、パー子など、発見。

まわしの色もいろいろあり、絹の生地のせいか、つやがあって、とってもきれいです。
とくに、宇良関のピンクの色がきれいで、目を引き、宇良関ならではの、珍しい技も
見れるので、応援しています。

土俵の吊り屋根に飾られている房は、総角(あげまき)という結び方で、魔除けや
厄除けのためのものです。
お守り袋にも、使われていますし、平安時代の几帳の飾りにも、お守りとして使われ
ました。

今場所のお相撲を見ていて、なんとなく感じたこと、それは、放送画面が、なんだか
きれいになっていることです。

土俵で、血を見ることがなくなったせいでしょうか、、
お相撲は、神事である、ということが、思い出せる空気感が、いいとおもいます。

お相撲は、十日目から〜と、解説の元琴風がはなしていましたが、まさしくこれから
です。