ホットチョコレートとショパン、そしてアクセンフェルト

2018.3.31音楽

さくらが満開になり、ホットチョコレートの時期は過ぎた感じがありますね。
でもチョコレートには、疲労回復や、抗酸化力のあるポリフェノールがカカオ豆に含まれていることが、わかってきました。
元気に一日をはじめたい時に飲むと、気合が入りそうです。

ホットチョコレートを作って飲むと、ショパンのことを思い出します。
わたしは、Clipper(クリッパー)のドリンキング・チョコレートが手軽に作れるので、日々のホットチョコレートは、これで楽しんでいます。
残念ながら、ショパンと紅茶は、結びつきが見当たりません。
伝わっているのは、ジョルジュ・サンドと暮らしていた頃、病弱なショパンの身体を案じて、サンドが温かいホットチョコレートをショパンのために作っていたことでした。

ショパンのピアノ作品は、たくさんの演奏が残されており、時々の気分で聞きたくなる演奏家も変わりますが、好きなのは、ドイツのエディット・ピヒト・アクセンフェルトというピアニストの演奏です。
チェンバロの優れた演奏家でもあります。あのシュバイツァー博士の元で、オルガンも勉強しています。

チェンバロでバッハのゴールドベルク変奏曲だけのリサイタルを聴いた時でした。
少女のように軽やかにステージに現れ、最初のアリアを弾き始めたときに、呆然となってしまい、30の変奏曲が終わり、最初のアリアに戻ったときは、感動して椅子から立てませんでした。
以後、機会がある度に、アクセンフェルトのピアノとチェンバロを聴いてきました。

草津の音楽祭には、毎年のように来日しては、その年のテーマの作曲家のレッスンや演奏をしていました。
朝、ランゲンハーンというスイスのピアニストが残したメトードを、真摯に取り組んでいた姿は忘れられません。
実際にこのメトードを使うと、ピアノのタッチが変わってきます。
ただこのメトードは、単なる指の練習ではなく、内省的な思索が求められます。
気持ちを開放するために、ブラームスの51の練習曲を合わせると、バランスが取れるような気がします。

ピアノでは、シューベルトのソナタ、ブラームスの小品などが、そしてショパンでは、エチュードop.10とop.25 がCDに残されています。
チェンバロの演奏はたくさんCD化されています。
彼女の音楽は、音の美しさはもちろん、深い哲学があり、聴くと手が止まり、聴き入ってしまいます。

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